今年の7月に訪ねた北海道の写真を選んでみました。
三浦綾子の氷点で人間の持つどうしようもない暗さを象徴していた演習林の中を歩くことができました。
インターネットのおかげでようやく氷点の舞台となった木々を目にすることができました。
氷点を読んでから40年も経過していたので何でもない針葉樹林に感動しました。
ずっと昔に読んだ小説ですので、自分の中で熟成されていたからかも知れませんが、林は意外と明るくて堤防から川までは北海道らしい距離感がありました。
小説家の命はこの世からなくなっているのに、小説家の魂はなおもこの地に生きている、そんな気がする印象深い場所でした。
倉本聰さんの森の時計も訪ねてみました。
実物の建築は意外と平凡な印象で、ドラマは俳優達の存在感があって初めて華やいだ雰囲気が生まれるのだと思いました。
それでも扉を開ければ寺尾聰の姿が浮かんできそうなくらい素晴らしい空間が生きていました。
三浦綾子さんは小説として、倉本聰さんはドラマとして、人々に不滅の感動を残してくれました。
医療は小説やドラマよりもより現実的で切実なものではありますが、良い医療は少なからず感動を呼ぶのではないかと思います。
私達はまだ三浦綾子、倉本聰のような巨人に遠く及びませんが、医療の世界にも感動をと思って努力して参りたいと思います。