ごあいさつ

医科歯科連携

私は以前、ジュネーブ大学医学部でノックアウトマウス、トランスジェニックマウスを作製する研究を行なっていました。

荒木先生というトランスジェニックマウス作製の第一人者から技術を学びました。

荒木先生から歯の悪いマウスは生存できないと教わりました。

私が歯の重要性を認識した最初のエピソードです。

人間は歯科治療のおかげで歯が悪くても生きられるのでしょうが、歯が命にとって大事であることは人間もマウスと同じだと思います。

 

以下は、日本骨粗鬆症学会の講演で拝聴した内容です。

歯科は専門外ですので、間違っておりましたらご指摘をお願いします。

 

1) 顎骨壊死と顎骨骨髄炎は区別した方が良い。

顎骨骨髄炎は歯の局所感染が原因となるので、骨粗鬆症治療中であっても抜歯した方が良いケースがある。

抜歯をためらうことで重症化するリスクがある。

 

2) 骨粗鬆症治療開始時には歯科受診を行う必要がある。

薬剤によりますが、骨粗鬆症薬の添付文書に歯科受診の必要性が明記されています。

しかしながら、医師から歯科医師に紹介状が作成されているケースは少ないようです。

私自身が今年の日本リウマチ学会で報告したのですが、リウマチ治療の開始時に歯科受診をしておいて頂くと、歯科リスクの発生は明らかに減少します。

骨粗鬆症でも歯科介入を行なっておくと歯科リスクの発生を減らすことができるそうです。

ビスホスホネートなどの骨粗鬆症薬を開始する場合、歯科受診は義務だと考えた方が良いようです。

 

3) 顎骨壊死、顎骨骨髄炎は増えている。

以前、顎骨壊死の発生頻度は10万に1人だと言われていました。

統計にもよるでしょうが、骨粗鬆症治療中の顎骨壊死、顎骨骨髄炎は1000人に1人の頻度で発生する。

さらに困ったことにその頻度は増える傾向にあるそうです。

増加の原因は、高齢化、骨粗鬆症薬の服用期間が長くなっているなどの他に、歯科医師が抜歯を避けることも一因だそうです。

抜歯以外の方法では局所感染を制御できなくなった場合には、抜歯を行うべきだということでした。

以上です。

 

患者さん方が安心して骨粗鬆症の治療を受けられるよう、当院では地域の歯科医師の先生方にお願いして医科歯科連携を立ち上げていきたいと考えています。